2008年 04月 11日
保多孝三生誕百年展 |

「無下手処」
保多孝三先生は、明治41年4月19日に東京に生まれ、今年で丁度百年となる。その百回目の誕生日に当たる4月19日より、保多先生が晩年を過ごした書斎の階下にあたるギャラリーで生誕百年展が開催されることになった。書斎に残された百顆程の中から約60点を選び、新たに印影を印と共に展示される。
以下ご案内いたします。
保多孝三生誕百年展
2008年4月19日~5月5日(4月22、30日は休廊)
12:00~17:00
Craft Gallery 漸 ZAN
多摩市桜ヶ丘2-35-2
地図
http://map.livedoor.com/map/scroll?MAP=E139.26.43.1N35.37.57.9&ZM=11
★京王線/聖蹟桜ヶ丘駅下車 8番バス乗り場 乞田五差路下車 徒歩1分
★京王相模線、小田急多摩線・多摩モノレール/多摩センター駅下車
6番バス乗り場 乞田五差路下車 徒歩1分
「無下手処」
私などが、保多先生の作品を評するのは失礼な話だが、篆刻鑑賞というテーマもあるので、上記掲載の「無下手処」について若干述べさせて欲しい。
この作品を「見ると」、まず目につくのは、白と赤(朱)の対比であろう。我々が4文字の篆刻作品を制作する場合、4文字の「疎密」の関係を重視する。つまり「無」=画数が多い=密、「下」=画数が少ない=疎、「手」=疎、「処=處」=密ということになり、これを四角の中に配置すると、「無」と「処」の白い部分と、「下」、「手」の赤い部分が出来上がるというわけだ。すなわち、この作品は「疎密」の関係からいうとオーソドックスな篆刻作品ということになる。
また、撃辺の効果も絶妙である。「無」字の右上部は撃辺によって枠外とつながっているが、その効果により、ここは視覚的に「より白く」なり、赤部分との対比が強くなっている。同様に「処」字左上も同様な狙いであろう。
あと、これは保多篆刻の一つの特徴と私は考えているが、使っている字形は、字書に載っているそのままの字形(もしくは篆書としてのオーソドックスな字形)であることだ。それを、筆で書いたがごとく、ごく自然に印刀で表現している。この「自然さ」が保多篆刻の魅力である。
by tenkokuryu
| 2008-04-11 19:30
| 篆刻鑑賞

