せっかくですので、下に掲載の作品の解説 |
最近、前衛書の田村空谷先生の講演があり、拝聴したが、私も田村先生がおっしゃる「誰もやらない」ような作品を創りたいと思っている。
私は器が小さいし、オリジナリティも乏しいので「誰もやらない」というより「やりにくい」または「やる人が少なくなってしまった」作品を発表することになってしまう。
四十不惑 6.5cm×6.5cm
この変形に配置する方式は、2世中村蘭台先生が盛んに行い、その師系の篆刻家達もマネをしたのだが、古川悟、中村淳先生が亡くなり、すっかり過去の形式となってしまった。
つまり、「やる人が少なくなってしまった」蘭台風(古川悟風)ということになる。
この作品の場合、同門のA氏に言わせると、「ぐるっと廻したダケ」ということになってしまうのだが、言うのは簡単だが、これが難しい。したがって、この形式の印の場合、印稿を何年も「ああでもない、こうでもない」と練ることとなる。つまり、作品制作として時間がかかる。
狙いとしては、変形に配置することにより、空間(白文なので赤い部分)を、三角形に残し(配置)、そこと「文字」の白い部分を対比させるということなのだが、まあ、成功しているかどうかは分からない。まあ、何となく収まっているので、発表したということになる。発表後1年なのだが、もう少し「太い」ところを増やしたほうが良かったと反省。