篆刻の道具(印刀) 再掲 |
10月の末に、篆刻の道具(印刀)ということで掲載したのだが、1年半ほどまえにも同じような内容で載せたことを思い出した。写真もそちらに掲載していたので、それと合わせ、改訂版として再掲する。
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何事にかかわらず、プロとアマの違いは、技術(センスも含め)の違いもあるが、道具の違いもあるようだ。技術のみではなく道具も悪いとプロとアマの差はますます広がってしまう。
篆刻でもプロはそれなりのモノを使い、アマ(というか初心者)は大したモノを使っていないので、その差が維持されている。
篆刻の道具として、まず一番に発想するのが、印刀らしい。私の教えている方も、何本も買い求めている方がいる。自分の経験則からは、15年前くらいまでは、よく砥いであれば、ごく普通のモノで良かったと思う。私自身は、好みで砥ぎにより「刃の向き」をワザと少し変えているくらいであった。(下の写真上から3番目)
これは、刃幅1cm、長さ13cm、重さ50gのもので、約40年前に篆刻を始めた時に九段下の書道用品店・玉川堂で求め、愛用していた。長い間、砥いで使っていたのでかなり短く(13cmに)なってしまっている。現在の石印材の材質はかなり硬く、それこそ「刃がたたない」ので、残念ながら、引退ということになっている。
最近は、その硬い印材対策ということで、友人篆刻家が加工してくれた超鋼(中国製8mm)の印刀にシフトしている。特に高いモノでは無いのだが、持ち手(柄)の部分が市販そのままでは太く(重く)バランスが悪いので、グラインダーで細く加工したモノだ。そこに麻紐(滑らない)を巻いた、一見荷造り風でビジアル的には悪いが、かなり調子が良い。(写真上から2番目=刃幅8mm、長さ15cm、重さ60g)
超鋼なので、普通の砥石では砥げない。ダイヤモンド砥石(私が使っているのは正確にはダイヤモンドやすり=写真一番下)を使っている。メーカーはリョービ、パワフルダイヤという商品名で売っている。多分、つり針、農機具の刃を砥ぐもので、その用途においても評判の良い商品と聞いている。詳しくは下記のリンクでご覧いただきたい。
http://www.sho-ken.com/booksyogu.htm