石鼓文の話(文字の変遷なども含め) その2 |
では、石鼓文とはどんなものなのだろう。石鼓文(せっこぶん)とは、唐代初期に陝西省鳳翔府天興県で出土した10の花崗岩の石碑、またはそれに刻まれた文字をいう。中国石刻文字資料としては最古のもの。鼓(太鼓)の形に似た石に刻されたので石鼓文(せっこぶん)と呼ばれる。
現在、中国北京の故宮博物院に所蔵されているので、多分見ることは出来るものであろう。私自身も、25年前くらいであろう、一度見ている。その時の写真を捜したのだが見つけられなかったので記憶になってしまうが、太鼓というより黒い丸っこい物体としか見えなかった・・・。資料写真を見つけたので掲載するが、下のようなものである。(甲鼓とも第1鼓とも呼ばれるもの)
どうして、この形のことに触れたかというと、我々が学習する上で使用する石鼓文拓本は、この丸い曲面に刻られた文字の拓本ということを確認しないと臨書学習の上で齟齬が生じるからである。曲面→平面というプロセスで、若干実態と異なることになるというのは自明である。
(続く)