字書 |
篆刻というのは、「篆書」という現代人が常用していない字体を使用するので、字書から字体を選び出す「検字」というプロセスが生じる。
ベテランになれば、慣れた字(簡単な字、頻出する字)については「頭に入って」いるので、字書を使うという機会は少なくなるかもしれないが、初心者には必須のプロセスである。
私が昔から常用しているのは、角川書道字典、朝陽字鑑精萃、大系漢字明解、清人篆隷字彙の4冊<ここを参照>で、最近はこの4冊に加え、篆刻大字典(中国本2冊組)、篆刻字林を使うことが多い。
それぞれ一長一短があり、何が良くて何が悪いとは言い難く、「何を勧めるか」と聞かれると、「全部揃えろ」と言うのだが、この中で好きな字書は角川書道字典と大系漢字明解、作品作りに役立つ字書は清人篆隷字彙と篆刻大字典、門人公募展作品の確認のために手放せない字書が篆刻字林ということになる。
残りの朝陽字鑑精萃はというと、使いにくい字書なのだが、利点も多く(例えば漢篆、倭古印掲載)、何より、師匠に篆刻を教わり最初に買った(買うように指示された)字書なので、40数年の愛着とか慣れがある。
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篆刻大字典、昨年友人に中国で買ってきてもらったが大きいし、中国本なので引き難いが、清代(含む民国代)篆刻家のセンスに接するのが楽しい。(清人篆隷字彙も同様であるが・・・)
下は、去年友人に送ってもらった時の梱包。印刷本の印譜も10数冊買ってもらった。