2014年 04月 09日
膨張色と収縮色(続ちょっと高度な篆刻講座)1 |
確か1998年くらいからHPを始め、その中で「ちょっと高度な篆刻教室」というページを作った。なにしろ15年以上前のものだから、今読み返すと「考え」が変わったり、現代に適応していないところも生じているので、改定、訂正したいような気もする。そんなことも含め、ちょっと違った観点(ちょっと高度な?観点)より篆刻周辺の気が付いたことをこのブログに掲載したい。
私のところは、日本における篆刻指導の通例のように本印稿を作って制作する。「はがきを黒く墨で塗って、そこに印材印面を型押しし、朱墨で・・・」のような方法である。「欠け」なども含めかなり精密なものを作る。一説によるとこの本印稿は「門人指導を容易にするため」と云う。確かに、この方法は指導しやすい。また、指導者である私自身もそういう育てられ方をしたので、この本印稿作りは、私にとって作品制作の根幹となっている。つまり、本印稿が出来上がれば、ほぼ作品は完成ーーあとは、刻って捺すだけみたいなことになる。あと、この本印稿で「ああでもない、こうでもない」のように推敲するのが、篆刻プロセスの中で一番楽しいーー私にとっては「方寸の世界に遊ぶ」というのは、イコール本印稿推敲の時である。
その本印稿作り→字入れのプロセスで、留意しなければならない点に、膨張色と収縮色がある。「赤、橙」のように暖色系で明度の高い色は膨張して見え=膨張色、「黒」のように寒色系かつ明度の低い色は収縮して見え=収縮色というわけだ。これはまさに、本印稿における朱墨と墨の色の関係となる。
<2へ続く>
私のところは、日本における篆刻指導の通例のように本印稿を作って制作する。「はがきを黒く墨で塗って、そこに印材印面を型押しし、朱墨で・・・」のような方法である。「欠け」なども含めかなり精密なものを作る。一説によるとこの本印稿は「門人指導を容易にするため」と云う。確かに、この方法は指導しやすい。また、指導者である私自身もそういう育てられ方をしたので、この本印稿作りは、私にとって作品制作の根幹となっている。つまり、本印稿が出来上がれば、ほぼ作品は完成ーーあとは、刻って捺すだけみたいなことになる。あと、この本印稿で「ああでもない、こうでもない」のように推敲するのが、篆刻プロセスの中で一番楽しいーー私にとっては「方寸の世界に遊ぶ」というのは、イコール本印稿推敲の時である。
その本印稿作り→字入れのプロセスで、留意しなければならない点に、膨張色と収縮色がある。「赤、橙」のように暖色系で明度の高い色は膨張して見え=膨張色、「黒」のように寒色系かつ明度の低い色は収縮して見え=収縮色というわけだ。これはまさに、本印稿における朱墨と墨の色の関係となる。
<2へ続く>
by tenkokuryu
| 2014-04-09 13:32
| 篆刻教室 篆刻を習う