2014年 06月 30日
消しゴム印 その9 朱文<陽刻>印を刻る(改定) |
最後に、朱文<陽刻>印を作ってみましょう。消しゴム印(消しゴム篆刻)としては刻る部分が多い(刻る面積が大きい)ので、その点はやっかいですが、基本的な技法は、白文印(陰刻印)と同じことになります。まず、作例
白文の「子」と同様に2cm角の消しゴムに刻ったものです。枠が加わりますので、中の字の大きさは白文印より小さくなります。それにあわせ原案の字形もコピー機で小さくする必要があります。そして、同様に「薄紙」と「鉛筆」を使って、消しゴム印材中央に、左文字(鏡文字)になるように転写します。
そして、当然ですが、枠を中の文字の線の太さに合わせ(ほぼ同じ太さが良い)鉛筆で書いて行きます。これで、字入れ(布字)が出来上がります。
つぎは、刻りですが、下図をご覧ください。
説明するために、単純な「一」+「枠」という朱文印をイメージしたものですが、まず白文印と同じに、「白」線の部分を刻ります。そうすると「朱」の部分(一と枠)と「黄色」の部分が、残るはずです。「白」線は当然V字の溝として、刻リ取った形になります。断面は下図のようになります。
つぎに、最初にやっかいだ、と申し上げた、黄色の部分をさらう必要があります。それは上図赤線のように刀を入れ、さらって(切り取って)行きます。さほど深くさらう必要はありません。刀(ナイフ)を寝かせて、V字の更に開いた形の溝を切り取って行くという感覚でよいでしょう。
なお、朱文の場合の線の断面は下図の1のような形になります。2のような形にはなりません。これは石印、木印の断面でも同様となります。
by tenkokuryu
| 2014-06-30 11:48
| 消しゴム印