石印材に挑戦(改定) 簡易な刻法 その2 字入れ<布字> |
まず、刻る字を決めましょう。せっかくですから、本格的(?)に篆書の印を刻ってみます。下記をご覧ください。ちょっと縮小して表示しております。大き目の画像は、消しゴム印 その3 準備(改定)のほうに掲載しておりますので、そちらをご利用になっても結構です。どちらにせよ、拡大して使用ください。
これは実際に刻った印の「子」字形をピックアップした字書の一部ページですので、使いやすいと思います。篆書は、楷書などより、象形文字としての特徴が出ていますので、面白い形も多いです。「子」は、字義としては「幼児」の象形です。
参考「字義」:人の子なり(象形)体内に在りては巳と曰ひ。生れて襁褓の中に在るを子と曰ふ。
★襁褓★日本ではおむつをいうが、中国では幼児をくるむ衣、また、うぶぎを言う。

そして、消しゴム印の時と同様に、薄紙(下は書道半紙を使用)+鉛筆で写し取ります。↓

右行上から2番目の字を写しました。(下の写真の1)↓

それを更に、油性のフェルトペン(極細が良い=例えばZEBURA・マッキー、サクラ・マイネーム)でなぞります。(上記写真の2)上記は書道用の半紙を使用したので、かなり滲んでいます。コピー用紙のような洋紙でも、油性のフェルトペンですと、滲むはずです。また、写した字体が若干扁平なので、正方形の印材では若干天地が余りますので、この油性のフェルトペンでなぞる時に、最終画を少し長く、付け加えました。
紙を裏返すと下記の写真のように、裏写りしていると思います。これが左文字(鏡文字)となります。

それを印材(上は広西凍)に写します。広西凍は白い印材ですので、黒の油性フェルトペンではっきり書けるはずです。青田石も緑色ですので、同様にはっきり書けます。
印材の印面(刻る面)は正方形ですので、水平、垂直をきちんと守るのが上手く字入れするコツです。
あと、今回は白文印(陰刻印)を刻りますので、なぞって線を太くしておきましょう。これは篆書としての特徴の一つなのですが、線の太さはなるべく同じ太さにします。篆刻作品としては、太いところと細いところがあったほうが良いのですが、初心者は「同じ太さ」のほうが分りやすいですし、失敗も無いでしょう。ちなみに、上記は、太い線が2mm、細い線を1.5mm程度でまとめていますが、皆さんは1.5mmの線でまとめましょう。
なお、前後しますが、準備として、印面(刻る面)を整える作業があります。これは初心者には、若干難しいですので、広西凍の場合は無理に行う必要はありません。上の制作例でも、印面を整える作業はしていません。買ってきたそのままです。
青田石の場合は必要でしょうから、400~600番くらいの紙やすり(又は耐水ペーパー)を平らな板(机など)の上に置き、印面(刻る面)を軽く磨り、印面のやすりの痕などを消しましょう。
この紙やすり(又は耐水ペーパー)も東急ハンズ、金物屋さんなどで売っています。